朝に飲む缶コーヒーは少し美味しい。
早起きする生活に戻ると少しまともになったと思う。
朝の空気はわりと美味しくて、朝の日差しはわりと心地いいことに気づく。
けれど機械的に迎える朝の心地よさは新鮮さに過ぎない。これがいつか、そう遠くない日には、自分にとって当たり前で普遍的で日常的な朝になる。
朝に飲む缶コーヒーは少し美味しい。
そんな新鮮さを毎日浴びたい貪欲な僕には生きる場所がこの世界にあるのだろうか。しかし、それは与えられるものではなく、自ら手に入れるものだと気づく。
そんなふうに気付かされた今日の朝に飲むコーヒーはただのコーヒーだった。